どうも綴です。
ベンチプレスを趣味にしているトレーニーにとって、「100kg」という大台は最初の大きな目標であり、これを突破したときの達成感は格別なものがあります。
しかし、そこからさらに120kg、130kgと重量を伸ばし、その先にある「150kg」という未知の領域の壁に挑もうとするとき、今までとは全く異なる質の壁が目の前に立ちはだかります。
それは、純粋な「筋力の限界」だけではありません。
バーベルを持った瞬間にズシリと関節にのしかかる圧倒的な重量感。 「もし潰れたらどうしよう」という、脳が本能的に発する恐怖心。 そして、容赦なく手首や肘、肩に蓄積していく「関節の痛みや違和感」です。
私自身、現在は120kgを9レップ、130kgを5レップ挙げるセットを組みながら、独学で150kgの挙上という大きな目標に向けて日々バーベルに向き合っています。
パーソナルトレーナーをつけず、一人で淡々と高重量に挑み続ける中で、身に染みて分かったことがあります。
それは、100kg台の後半や150kgといった異次元の重量を扱い、かつ怪我をせずに成長し続けるためには、根性やフォームの工夫だけでなく、自分の体を守り出力を最大化してくれる「ギアへの投資」が絶対に不可欠だということです。
独学だからこそ、一度怪我をしてトレーニングを中断してしまえば、それまでの努力が一瞬でリセットされてしまいます。怪我を未然に防ぎ、停滞期をぶち破るために、私がジムのバッグに必ず忍ばせている「3つの必須ギア」とそのリアルな選び方について、本音でお話しします。
必須ギア1:手首の命綱「リストラップ」
まず、高重量ベンチプレスにおいて、最も怪我のリスクが高く、かつパワーロスが起きやすいパーツが「手首」です。
100kgを超えるバーベルを手のひらで受け止めたとき、手首が後ろにダランと寝てしまう(背屈してしまう)と、その瞬間に重さの負荷がすべて手首の関節と靭帯にダイレクトにかかってしまいます。これでは簡単に手首を痛めてしまいますし、前腕の骨に対して垂直に力が伝わらないため、大胸筋や三頭筋のパワーがバーベルへと100%伝わりません。
この手首をガチッと一本の太い柱のように固定し、骨で重さを受け止められるようにしてくれるのが「リストラップ」です。
130kg以上に挑むための「リアルな選び方」
初心者向けの柔らかい、あるいは短いリストラップでは、120kgや130kgの重圧には到底耐えられません。選ぶ際の基準は以下の2点です。
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長さは「60cm(24インチ)」以上をチョイスする 30cmや50cmの短いものだと、手首に巻きつける回数が少なく、固定力が物足りなくなります。高重量を扱うなら、手首を何重にもガッチリとホールドできる60cm以上の長さが絶対条件です。
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生地は「硬め(スティッフ・ハード)」を選ぶ 触ったときに少しゴワゴワするくらいの、伸縮性の低い硬いモデルを選んでください。手首の自由を完全に奪うくらいのガチガチな硬さがあって初めて、130kgを超えるバーベルを握ったときにも手首が1ミリもブレない安定感が生まれます。
セットに入る直前、顔が真っ赤になるくらいに思い切り強く巻き締め、セットが終わったらすぐに外す。このメリハリをつけることで、ラックアップした瞬間の「バーベルが軽く感じる感覚」を味わうことができます。
必須ギア2:肘の爆発力を生み出す「エルボースリーブ」
ベンチプレスのボトムポジション(バーが胸に触れる一番きつい位置)から切り返すとき、最も激しいストレスに晒されるのが「肘の関節」です。
重量が上がってくると、肘の内側や裏側にピキッと走るような痛みや、重鈍い違和感を覚えるトレーニーは非常に多いです。三頭筋の腱が、高重量の引っ張り張力に耐えかねて悲鳴を上げているサインです。
これを強烈にサポートしてくれるのが、肘に装着する筒状のサポーター「エルボースリーブ」です。
痛みを防ぎ、ボトムを軽快にする「リアルな選び方」
エルボースリーブは、単なる寒さ対策の保温サポーターではありません。高重量用としては、以下のスペックのものが必要です。
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素材は厚さ「7mmのネオプレン」一択 ウェットスーツのような分厚いネオプレン素材で作られた、硬さのあるスリーブを選びます。これを肘に通すことで、肘関節全体が強力に圧迫(コンプレッション)され、関節のグラつきが完全に消え去ります。
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サイズは「ややキツめ」を攻める ジャストサイズよりも、装着するときに少し汗をかくくらいのタイパの悪いキツめのサイズを選ぶのがコツです。
分厚くキツいエルボースリーブをつけた状態で肘を曲げると、素材自体が元に戻ろうとする強い「反発力(弾性)」が生まれます。
ベンチプレスでバーを胸に降ろした一番きつい瞬間に、このスリーブの反発力がパチンとバネのように働き、ボトムからの立ち上がりを強力にアシストしてくれるのです。関節の保護と、挙上重量のアップを同時に叶えてくれる、高重量ベンチにはなくてはならない相棒です。
必須ギア3:下半身のパワーを伝える「パワーベルト」
「ベルトはスクワットやデッドリフトのときに腰を守るためのもので、ベンチプレスには不要だろう」と思っていませんか?
それは大きな誤解です。ベンチプレスで130kg、150kgという大きな壁を越えるためには、上半身の力だけで挙げるのは不可能です。
強く顎を引き、胸を思い切り張ってブリッジを組み、足の裏で床を強く蹴り上げることで、下半身から生み出した位置エネルギーを連動させてバーベルを押し上げる。この「レッグドライブ」というテクニックが不可欠になります。
このとき、上半身と下半身を繋ぐ体幹部分(腰回り)がフニャフニャと緩んでいては、下半身のパワーが途中で抜けてしまい、バーベルまで伝わりません。また、お尻がベンチ台から大きく浮き上がってしまう原因にもなります。
ベンチプレスの出力を上げる「リアルな選び方」
パワーベルトを巻いて腹圧(お腹の内側からの圧力)を極限まで高めることで、体幹がガチッと強固な一本の板のようになり、足で蹴った力が大胸筋へとスムーズに100%連動するようになります。
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幅が前後にわたって「一律10cm」のストレート型を選ぶ 背中側だけが太く、お腹側が細くなっている一般的なゴールドジム等のベルトではなく、全周が同じ10cm幅のパワーリフティング用のベルトを選んでください。お腹側にもしっかりと幅があることで、腹圧を全方位から均等に受け止めることができます。
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ベンチの時は「少し緩め・高めの位置」に巻く スクワットのときのように骨盤の真上にギチギチに巻いてしまうと、ブリッジを組むときに見るからに腰の反りを邪魔してしまいます。ベンチプレスの際は、少し肋骨に近い高めの位置に、指が1本入るくらいの余裕を持たせて巻くのが、強いブリッジを作りながら腹圧をかけるためのプロの技です。
まとめ:独学だからこそ、最高の盾を装備して戦う
私のベンチプレス人生も、決してスマートに右肩上がりで伸びてきたわけではありません。仕事の忙しさで何度も中断し、やったりやらなかったりを繰り返しながら、ようやくここまで戻ってきました。
50歳を目前にした今、若い頃のような関節の頑丈さや、勢い任せのリカバリー能力はもう期待できません。だからこそ、独学の個人トレーニーは賢く「ギアの力」を借りるべきです。
今回紹介したリストラップ、エルボースリーブ、パワーベルトは、あなたの努力を100%バーベルに伝えるための「最高の武器」であり、大怪我から身を守るための「最強の盾」です。
綺麗すぎる教科書の正論に縛られて素手で無理を重ねるよりも、スマートにギアを装備して、安全に、かつ泥臭く重量を取りにいく。
その賢い選択の積み重ねが、130kg、150kgという高い壁をぶち破る確かな原動力になります。手元のギアを見直し、次回のセッションで圧倒的なホールド感をぜひ体感してみてください。
ではまた。

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